「昨日大学で会ったじゃないか。元気だよ」 カラ元気で返事をする美利。 『ずっと智樹のところに行っていないだろ』 その一樹の言葉に少し胸が苦しくなる。 「そうだね…」 『行って来いよ、智樹が待ってるぞ』 間が開く。 「待ってるかな…?」 『待ってるよ、何回も会いに行っている俺はそう思う』 十秒ほどの無言が続く。 「……ないよ…」 美利が語気を荒げる。 「待ってないよ! だって僕の事なんて何も覚えてないんだから!」 和巳は美利が声を荒げるのを予想していたかのように静かに耳を傾ける。