クールな御曹司は傷心令嬢を溺愛で包む~運命に抗いたかったけど、この最愛婚は想定外です~




轟音で揺れる室内。

伝わってくる震動は、足裏を伝って身体の中まで揺らしてくる。

そんな中で、たくさんの男女が意気揚々とリズムに乗って談笑すら交わしていた。

こんな場所があるなんて…。

まるで異世界にでも迷い込んだかのように私はただ圧倒されるばかりで、ここへ来てからずっと壁に貼り付いて立ち尽くしていた。

私は何をしているのだろう…。

心細くて、居た堪れなくて、もう帰りたい。

でも、やっと独りでここまで来たんだ。おめおめと帰るわけにはいかない。もう決めたことなのだから…。