クールな御曹司は傷心令嬢を溺愛で包む~運命に抗いたかったけど、この最愛婚は想定外です~




ホテルの部屋に入るなり崩れるようにベッドに横たわり熱い時間を過ごした俺達は、高層階から一望できる摩天楼と夜景に魅了されながら甘い余韻を楽しんでいた。

「せっかく楽しみにしていた公演、見逃してしまったね」

しっとりとした芽衣子の肌に唇を寄せながら、今更謝ってみる。
まだ陶然としつつも、芽衣子は笑いながら口調を尖らせた。

「いいわ、今度はお兄ちゃんの公演があるもの」
「ええ? あの色男に熱を上げている君を横で見なきゃならないの?」
「そんなところを見たら、雅己さん、今度は公演の最中でも私を連れ出してしまうでしょう? 今度は一人で行きます。雅己さんは、お兄ちゃんにまた私が誘惑されていないか、やきもきするといいわ」
「いじわるだな」

棘のある言葉に艶光る色気にぞくりとして、芽衣子の耳元で低くうめく。

初めての夜は目が合うだけで恥じらっていたのに、ピロートークにもずいぶんと慣れてきた。

情交で乱れてしまったため下ろした髪が、身じろぐたびに揺れて、甘い色香を放つ。
この黒髪に映える白肌同様に純白だった芽衣子も、しかと俺に染められているようだ。
思わず肌に唇を吸い付け、赤い跡をつける。所有の証。俺だけの女…。