早速見繕ってもらおうとしたら、目の前にいたはずの店員がいなくなっている―――と思ったら、恰幅のいい女性店員と一緒に帯締めやかんざし等の小物を取り揃えて戻ってきた。
「まぁおぼっちゃま、お久しぶりでございます。すっかりご立派になられて」
弾けるような丸い顔に弾けるような笑顔を浮かべて女性店員が俺に話しかけた。
その溌剌とした対応に懐かしみを覚えて、俺も笑顔で挨拶を返す。
この人は山田さんと言った。
俺が生まれる以前から母と一緒に働いてくれていた、いわば戦友みたいな人で、今はこの本店の店長を務めている。
「俺が幼い時の面倒もみてくれたんだ」
と芽衣子にも紹介すると、持ち前の気さくさで彼女にも笑顔を向けて、
「そうなんですよ。まだ赤ちゃんだった頃からおぼっちゃまの面倒をみさせてもらっていたんですよ。あら、でももう専務さんになられたから「おぼっちゃま」なんて言えませんわねぇ!」
「ほんとだよ。俺をいまだに『おぼっちゃま』なんていう人は山田さんくらいだよ」
ほほほ、と軽快に笑う山田さん。
「まぁおぼっちゃま、お久しぶりでございます。すっかりご立派になられて」
弾けるような丸い顔に弾けるような笑顔を浮かべて女性店員が俺に話しかけた。
その溌剌とした対応に懐かしみを覚えて、俺も笑顔で挨拶を返す。
この人は山田さんと言った。
俺が生まれる以前から母と一緒に働いてくれていた、いわば戦友みたいな人で、今はこの本店の店長を務めている。
「俺が幼い時の面倒もみてくれたんだ」
と芽衣子にも紹介すると、持ち前の気さくさで彼女にも笑顔を向けて、
「そうなんですよ。まだ赤ちゃんだった頃からおぼっちゃまの面倒をみさせてもらっていたんですよ。あら、でももう専務さんになられたから「おぼっちゃま」なんて言えませんわねぇ!」
「ほんとだよ。俺をいまだに『おぼっちゃま』なんていう人は山田さんくらいだよ」
ほほほ、と軽快に笑う山田さん。



