クールな御曹司は傷心令嬢を溺愛で包む~運命に抗いたかったけど、この最愛婚は想定外です~

どうしてあんなことをしてしまったんだろう。

後悔するのは十分覚悟していた。
心も体も汚れてしまうのは、むしろ本望だった。
けれど、こんな後悔のしかたになるとは想像すらしていなかった。
彼のすべてが頭から離れない。
奇麗な顔立ち。しなやかな身体。そして―――。

『君を絶対に離さない』

高らかに宣言した甘い声。

彼の名前すら知らなかった。
朝は逃げるように部屋を出てきてしまったから。

こんな後悔の仕方をするなんて、想像すらできなかった。
名前も知らない人に、生涯忘れがたいほどに惹かれるなんて。

「あ、いたいた、芽衣子さん!」