と、真面目な顔の裏で悶えていたら、お母様はそれまでの固い表情を一変。
「まぁまぁまぁー素敵なお嬢さんだこと!」
破顔して朗らかな声を上げた。
「私は雅己の母で波多野郁代と申します。初めまして。この通り不束な息子ですけれども、どうぞよろしくお願いしますねぇ」
「あ、はい、初めまして…! こ、こちらこそよろしくお願いいたします」
予想外の反応に拍子抜けして、鸚鵡返しのような返事しかできない私。
お母様は雅己さんを差し置いて「立ち話もなんだから、座ってちょうだい」と私を向かいのソファに座らせると、
「そうそう、頂き物だけど多いからと思って持ってきたんだけれど、これ、良かったらみんなで食べない? 芋羊羹」
と、紙袋から箱を出してきた。
「母さん、芋羊羹なんて今どき年寄りだって食べないよ。それにまだ朝も早いのに」
「あらそう? 芋だからいいかな、って持ってきたんだけれど…」
という親子のやり取りをよそに、私はその包紙に注目していた。
「まぁまぁまぁー素敵なお嬢さんだこと!」
破顔して朗らかな声を上げた。
「私は雅己の母で波多野郁代と申します。初めまして。この通り不束な息子ですけれども、どうぞよろしくお願いしますねぇ」
「あ、はい、初めまして…! こ、こちらこそよろしくお願いいたします」
予想外の反応に拍子抜けして、鸚鵡返しのような返事しかできない私。
お母様は雅己さんを差し置いて「立ち話もなんだから、座ってちょうだい」と私を向かいのソファに座らせると、
「そうそう、頂き物だけど多いからと思って持ってきたんだけれど、これ、良かったらみんなで食べない? 芋羊羹」
と、紙袋から箱を出してきた。
「母さん、芋羊羹なんて今どき年寄りだって食べないよ。それにまだ朝も早いのに」
「あらそう? 芋だからいいかな、って持ってきたんだけれど…」
という親子のやり取りをよそに、私はその包紙に注目していた。



