「は、はい…」
震えた声で返事すると、やや間を置かれてドアがゆっくりと開いた。
お母様は、ソファに座って、真っ直ぐに私を見つめていた。
その圧倒させられる存在感に、思わず息を飲んでしまう。
黒々と艶光る髪を高く結いあげ、首筋から背筋を凛と伸ばしてモダンな紋様の薄紫の着物を着こなしている様からは、きりっとした純日本顔の美しい顔立ちも手伝って、お母様と言うよりかはお姉様と言っても遜色ない印象を覚える。
凛然と和装を着こなす美しい女性にはたくさんお会いしてきたけれども、この方は別格という意識が働いた。
綾部ホールディングスを一代で築いたという自信と責任が、この方に他の女性をも凌駕する風格と威厳をまとわせているようだった。
「母さん、初めて紹介するけれど、俺の恋人の岸芽衣子さんだ」
「初めまして」
けれども尻込みするわけにはいかない。
私は毅然とした態度で丁寧に頭を下げて、挨拶をした。
「岸芽衣子と申します。雅己さんとお付き合いさせていただいております。どうぞよろしくお願いいたします」
とは言っても…うう…緊張する…。
人生初めての彼女としての挨拶が、恋人のお母様だなんて…!
震えた声で返事すると、やや間を置かれてドアがゆっくりと開いた。
お母様は、ソファに座って、真っ直ぐに私を見つめていた。
その圧倒させられる存在感に、思わず息を飲んでしまう。
黒々と艶光る髪を高く結いあげ、首筋から背筋を凛と伸ばしてモダンな紋様の薄紫の着物を着こなしている様からは、きりっとした純日本顔の美しい顔立ちも手伝って、お母様と言うよりかはお姉様と言っても遜色ない印象を覚える。
凛然と和装を着こなす美しい女性にはたくさんお会いしてきたけれども、この方は別格という意識が働いた。
綾部ホールディングスを一代で築いたという自信と責任が、この方に他の女性をも凌駕する風格と威厳をまとわせているようだった。
「母さん、初めて紹介するけれど、俺の恋人の岸芽衣子さんだ」
「初めまして」
けれども尻込みするわけにはいかない。
私は毅然とした態度で丁寧に頭を下げて、挨拶をした。
「岸芽衣子と申します。雅己さんとお付き合いさせていただいております。どうぞよろしくお願いいたします」
とは言っても…うう…緊張する…。
人生初めての彼女としての挨拶が、恋人のお母様だなんて…!



