クールな御曹司は傷心令嬢を溺愛で包む～運命に抗いたかったけど、この最愛婚は想定外です～

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専務が午後の仕事のために出て行くと、私と亮子さんも昼食のために出かけた。

「亮子さん、本当にありがとうございました」

改めて亮子さんにお礼を言うと、亮子さんは相変わらずの気さくな笑顔で首を振った。

「いいのよ気にしないで。ミスは誰にでもあることよ。お互いフォローし合いながらあいつを支えるのが私達秘書でしょ？　…それよりも」

亮子さんは小悪魔っぽい笑みを浮かべてウィンクした。

「あいつを癒してあげるという芽衣子ちゃんの特命は果たせたかしら？」
「え…」

不意にさっき専務に抱き締められたことを思い出して、私は顔が熱くなるのを感じた。
どう説明していいか分からず顔を赤らめているだけの私だったけれど、亮子さんはそれで十分理解したらしく、

「うんうん、よしよし。お仕事は順調のようね」

と満足げに笑っている。