人生の相棒~運命の人は突然に現れる~

「龍太郎は母親が学校の先生だったから、自分も先生にならなきゃいけないと思ってたって」

そう言えば、彼は芸人になる前は小学校の先生をしていたとウィキペディアに書いてあった。

「俺は芸人になるために養成所に入る、龍太郎は教職課程がある大学に進学することになって、高校卒業後は別々の道を歩んだ」

「お父さんは、孝太がお笑い芸人になることに反対した?」

私が聞いたら、
「俺が中学生になってから父親とは口をきいていなかったし、高校卒業と同時に家を出てからは連絡も取りあってない。

父親が今何をしているのか、生きているのか死んでいるのかどうかもわからない」
と、孝太は答えた。

「アパートを借りて、養成所ーー『亀西興業』とは違うところだけどーーに入るお金を貯めるために1年くらい焼肉屋でバイトをした。

そのお金で養成所に入って、そこで出会った相方とコンビを組んだ」

孝太は続きを始めた。