人生の相棒~運命の人は突然に現れる~

「ごめんなさい…」

そう言った私に、
「謝ってくれと言ってる訳じゃないんだ」

孝太は言い返した。

「孝太に迷惑をかけたくなかったの…。

『漫才グランプリ』で優勝して、テレビでは見ない日はないくらいの売れっ子芸人になって…だけども、私のせいで孝太の人生を奪いたくなかったし、迷惑をかけたくなかった…。

責任をとれなんて、そんな嫌なこともしたくなかった…。

この子は私1人で育てようって、そう決めてたの…」

「『漫才グランプリ』見ててくれたんだ…」

そう言った孝太に、私は首を縦に振ってうなずいた。

「かっこよかった…。

『ブルースパイラル』が…孝太が優勝して欲しいって、見てる間はずっと思ってた…」

「それは、嬉しいな…。

アツキちゃんのために、頑張ったから…」

孝太は言った。