週明け、私は絹子さんに連れられて彼女の知りあいが営んでいる産婦人科医で検査を受けた。

「おめでとうございます」

検査の結果、妊娠していた。

お腹の中にいるまだ小さな命に、私と絹子さんは泣きそうになった。

1人だと心配だからと絹子さんに言われて、住んでいたマンションを引き払うと、彼女の自宅に引っ越して一緒に暮らし始めた。

会社の方もしばらく休むことになった。

「会社を手伝うために戻ってきたのに、こんなことになってごめんなさい…」

妊娠が発覚して、一緒に暮らし始めて2週間が経ったその日、帰宅した絹子さんに私は言った。

「何を言ってるのよ」

絹子さんは私の頭をなでると、
「私は亜月が元気な赤ちゃんを産んでくれれば、それでいいから。

あなたは自分の体調と赤ちゃんのことだけを考えなさい」
と、言った。

「うん…」

それに対して、私は首を縦に振ってうなずいた。