「つまり、亜月のお腹の中にいる子は『ブルースパイラル』の京橋の子供なのね…?」

話を全て聞いた絹子さんは確認をするように問いかけてきた。

「それ以降は恋人もいなければ誰ともそう言うことをしていなかったから…この子は、孝太の子供だよ。

でもあの時は、孝太がお笑い芸人だったことを知らなかった。

孝太の正体を知ったのは去年の『漫才グランプリ』の決勝進出のニュースを見て、彼がお笑い芸人だったことを知ったの…」

ポツリポツリと懺悔をするように話した私に、
「連絡先は聞いてないの?」

そう聞いてきた絹子さんに、私は首を横に振った。

「もう会わないと思ってたし、それに…」

「それに?」

「…孝太に迷惑をかけたくない」

私はそっと、お腹に手を当てた。