人生の相棒~運命の人は突然に現れる~

私は両手で顔をおおうと、深く息を吐いた。

心臓はドキドキと早鐘を打っている。

このCMが明けたら、今年の優勝コンビが決まるんだ…。

「どのコンビもウケてたな…」

今年でラストイヤーを迎えると言うベテランコンビも、去年は第3位だったと言うコンビも、ブルースパイラルも、全部ウケていた。

でも気持ちとしては、
「孝太、頑張って…」

ブルースパイラルが優勝して欲しい、ただそれだけである。

CMが明けた。

「審査員の皆様、よろしいでしょうか?

それでは第18回『漫才グランプリ』のチャンピオンは…」

緊張が走る。

結果を待っている彼らも真剣な顔をしていた。

「今年もCMの後でーす!」

司会者がそう言ったのと同時に、彼らはお約束だと言うようにずっこけた。