漫才の内容は子供の頃は刑事になりたかったと言う孝太に、“もし刑事になったら立てこもり犯を説得したい”と言う内容だった。

刑事扮する孝太と立てこもり犯扮する岸里さんのコント漫才はとてもテンポがよく、会場はあっと言う間に爆笑に包まれた。

それにつられるように、私も彼らの漫才に声を出して笑っていた。

「いい加減にしなさい」

岸里さんがツッコミを入れると、
「どうも、ありがとうございました」
と、2人で一緒に頭を下げて漫才が終わった。

「審査員の皆様、得点をお願いします」

司会者がそう言った後で、彼らが隣にきた。

「初めての舞台、いかがだったでしょうか?」

そう言ってマイクを向けた司会者に、
「めちゃくちゃ緊張しました」

そう答えたのは岸里さんだった。

「子供の頃から夢見ていた場所だったので、とても嬉しいです」

その後で孝太が答えた。

「さあ、得点の方を発表します!」