明人は車の運転は好きだった。そして音楽なんかかけてしまいご機嫌の中、信号で停まる度に水樹を見ては笑い合ってを繰り返す。この尋常じゃない高揚やふわふわは、いつまで続くのだろうか。多分きっと愛する人がかわいいおばあちゃんになっても永遠に続くのだろうな。と明人は揺るがない自信があった。

「運転上手ですね。グンッてならないっていうか。」

「ほんと?やばい超嬉しい。」

「嬉しいって言われて嬉しいです・・・。」

かわいい。ほんとに水樹の全部が好きだ。いつもぎゅって抱き締めたくなる。それから初めてのドライブを2時間満喫したのち、それなりの混雑の遊園地に着いた。そこで早速何種類かのアトラクションをこなして早目に昼ご飯を食べる事にした。

「誰かから電話?」

「あ、クラブのキャプテンから着信があったみたいです。アトラクションに乗っていたから気付きませんでした。」

「掛け直さなくていいの?」

「どうしよう。一回しか掛かってないし、急用ではないのかな?」

水樹は気を使って電話を掛け直さなかった。そして明人はこんな事でわずかな優越感を得るのだった。

「おにぎりと、少しだけおかずと、サンドイッチを持ってきました。」

「両方頑張ったの!?やばい。実は俺も・・・。ほらっ。なんでかわからないけどポテサラ作ってきた。」

「ポテサラですか?料理もできるなんて凄いっ。ふふ。なんか、長谷川さんの素敵な部分を見つける度に、自分は幸せ者だなってニヤけてしまいます。」

「なっ・・・。」

・・・何言ってんだよ。と言葉の続きは心に閉まい二人で持ち合った昼食を食べた。でも今の二人の空気では料理の仕上げに使用するスパイスとしてはちょっと、いや、絶対に不向きで何を食べてもとにかく甘過ぎて表情は緩みっぱなしだった。