呪いで幼女になった聖女ですが、置いてけぼりにされた上に魔王に拾われました。でも結構幸せです。




(バレたら……殺される!)

 レティシアは、命を守るために子どもの振りを懸命にした。
 身体を小さくして、子どもらしく怯えなければ。
 いや、怯えているのは素でだが。

「しょうがない。連れて帰るか……」
「え?!」
「本気ですか?」

 魔王の言葉に、レティシアともう一人の男は同時に声を上げる。
 まさかそうくるとは思ってはいなかった。

「もう森が閉じる。このまま俺たちがこいつをあちらの村まで送り届けたら帰ってこられなくなる。かと言って、置いていくわけにはいかないだろう? まだ小さいのに可哀想だ」
「可哀想にって、貴方ね……。人間を城に連れて帰ったら大変になることは目に見えて分かるでしょう?」
「じゃあ、俺はここに残ってこいつと一緒に森に閉じ込められるよ。次に出てこられるのは三十日後だ。それまで諸々よろしくな、オズワルド」

 魔王にオズワルドと呼ばれた眼鏡の男は、ムッとしたような顔をする。
 そして、諦めたようにはぁ……と大きな溜息を吐いた。

「……本当に貴方のそういうところ、頭に来ますね」

 本当は賛同したくないのに、渋々と頷いた感じだ。

 だが、ここに一人それに賛同できない人間がいる。