ように嫌だった。
「そんな顔するなよ。別に気にしなくてもいいぞ?」
「でも……」
「あのな、レティ」
ゲオルグは難しい顔をして考え込むレティシアに、優しい声で諭してくる。
「お前には将来的に、人間と魔族の橋渡しをしてもらいたいんだよ。人間と魔族両方を知るお前に、和平の突破口を開いてほしい。そのためにこちらに残る。それなら、お前も大義名分があっていいだろう? まぁ、あくまで建前だけどな」
建前であっても何でも。
レティシアにできることがあるのであれば、それをやり遂げたい。
ゲオルグの理想の実現のお手伝いができるのであれば、喜んで進み出る。
「私……私! 拾っていただいた恩を忘れません! 必ずや、ゲオルグ様のお役に立ってみせます!」
感極まり、ゲオルグの首に抱き着いた。
嬉しくて嬉しくて仕方がない。
無理だと思っていたから、この喜びはひとしおだ。

