何を心の底から望んでいたのかを。
いや、分かっていたが、知らない振りをしたのだ。
心の叫びに耳を塞いで、大丈夫だと言い聞かせていた。
口に出してしまって、断られてしまったら。
そうしたら二度と城では暮らせないと、嫌でも思い知ってしまう。
今度こそ、拒絶された辛さから立ち直れそうにもない。
「……レティ?」
ゲオルグは涙をポロポロと零すレティシアを、心配そうに覗き込んできた。
大丈夫、何でもないといつものように言ってみせたいのに、今ばかりは難しかった。
大丈夫じゃない、全然。
今にも胸が張り裂けそうだ。

