「元気でいてくれよ、レティ。また生贄になったりするな。そうなったら、二度と人間の国には帰さないからな」
「そうなったら、また城に置いてくださいますか?」
「ああ、もちろんだ。俺の娘として、一緒に暮らせばいい」
「……嬉しいです」
本当に、ゲオルグの娘だったらどれだけよかっただろう。
どれほど幸せだっただろうか。
城の中での日々を思い起こし、レティシアはそれを手放してしまうことに胸が苦しくなる。
「……ゲオルグ様、私」
オズワルドの言葉が頭の中に甦る。
本当に欲しいものは口に出して相手に伝えないと手に入らない。
その言葉がレティシアの心を苛む。
「……私、……私は」
そうか、自分は。
ここにきてようやく分かった。

