たしかに魔族の中でも最強であるゲオルグならば、どんな強敵でも一掃するだろう。鉄壁の守りと言ってもいい。
こうやって、彼は人間との共存を進めるべく人知れず戦ってくれているのだ。
その理想がいつか叶う日が来るといいなと、密かに思う。
一緒にそれを祝えないのは、寂しいけれど。
「私、あちらに帰ったら、皆に伝えますね。ゲオルグ様が、人間と仲良くなりたいと思っているということを。こちらも歩み寄ることをしないかと、訴え続けます」
「ありがとう」
手に持ったゲオルグ人形をギュッと抱き締める。
寂しくなんかない。
ゲオルグ人形があればきっと大丈夫。
人間の国に戻ってもちゃんとやっていける。
レティシアは心の中で何度も自分に言い聞かせた。
「あっちに行ったら、ちゃんと面倒をみてくれる大人を見つけてやるからな」
「……別に大丈夫だと言いましたのに」

