呪いで幼女になった聖女ですが、置いてけぼりにされた上に魔王に拾われました。でも結構幸せです。




「自覚がないのですね」

 まるで、レティシアの望みを知っているかのような口ぶりだ。
 何故こんなことを言われるのか分からず、レティシアは戸惑った。

「覚えておいてくださいね。本当に欲しいものは、声に出して相手にしっかりと伝えないと手に入りませんよ」

 ――どうして、そんなことを言うのだろう。

 レティシアはキュッと唇を真一文字に引き結んだ。
 すべて口にしたというのに、これ以上何を望めというのか。

「短い間でしたが、楽しかったですよ。貴女がやって来てから、この城は華やぎました。――しばらくは、貴女のいない日々に慣れないかもしれませんね」