呪いで幼女になった聖女ですが、置いてけぼりにされた上に魔王に拾われました。でも結構幸せです。





(……この人、もしかして……魔王……?)

 漆黒の髪の毛、金色の瞳、真っ黒な服に身を包むその人は、レティシアの肌をビリビリと刺激するほどの魔力の持ち主だ。
 ここまで強い力を感じたことはない。
 禍々しくもおぞましい。
 聖力がなくなっても分かる。
 この人は、おそらく魔王だ。

 もう一人の男は、紺色の髪の毛に眼鏡をかけて真面目そうな雰囲気を持っている。だが、この人も相当な魔力の持ち主。

 レティシアはいっそのことこのまま気絶したいと思ったが、意外にも気絶というのは難しいらしい。
 一瞬気は遠のくものの、結局失わずにいる。

 涙で目の前が霞んでしまっているけれども。