あれもこれもと思い付くけれど、そのいずれもが足りない感じがしてしまう。 こんな焦燥感は初めてで、レティシアは落ち着かない心地のまま城での生活を終えようとしていた。 及ばずの森が開くまであと一日。 明日は朝一番に城を出て、ゲオルグとともに森に入り人間の国へと帰る。 とうとうお別れのときがくるのだ。 長いと思っていた三十日だが、過ぎてみればあっという間だった。 荷物をまとめてみると思った以上に多くて驚く。 そのひとつひとつに思い出が詰まっていた。