(い、言ってしまった! とうとう、我が儘を言ってしまった!)
内心、やってしまったという気持ちが大きくてドキドキしている。
迷惑だったらどうしよう。
断られたらどうしよう。
嫌われたら、どうしよう。
たくさん頭の中に不安が浮かび、ゲオルグの顔が見られなかった。
「あぁ、分かった。側にいよう」
だが、ゲオルグはそんなレティシアの不安を一蹴するかのような温かな声で答えてくれた。
ハッとして彼の顔を見ると、嬉しそうにこちらを見ている。
「初めてだな。お前が子どもらしいことを言うのは。いいことだ」
「……嫌ではありませんか?」
「そんなことあるはずがない」
「わ、私を、嫌いになったり……」
「しない」
きっぱりと否定されて、レティシアは安堵した。
よかった、と嬉しそうに微笑む。

