「大丈夫だ、心配するな。俺たちがついている」
ウィニーがすかさずゲオルグにハンカチを差し出すと、彼はそれでレティシアの涙を拭いてくれた。
「これからどうするかは、ゆっくり考えたらいいさ。何だったら、三十日後にあちらに送っていった際に、俺がお前の面倒を見てくれる家を見つけてやってもいい」
「またそんな安請け合いして……困りますよ、仕事が山のようにあるのに」
「そのときは、俺の優秀な右腕がどうにかしてくれるんだろう?」
そんなことができないお前ではないだろう? とでも言うように、ゲオルグはオズワルドに目で訴えていた。
眼鏡を指で押し特に反論もしないところを見ると、その自信はあるようだ。
「ごめんなさい……ご迷惑をかけて……」
「迷惑なわけないだろう? お前は子どもなんだ、大人に頼って当たり前だ」
「見ず知らずのわたしに……何でそんな優しく……」
「拾った縁だ」
拾った縁でここまでしてくれるのが、人間ではなく敵であるはずの魔族だなんてなんて皮肉だ。
ここまでしてもらったこと、今までなかった。

