「……そうですね……私、私、見捨てられたのです……」
五歳のときに親に見捨てられた。
お前は選ばれたのだと言っていたが、口減らしであったことは幼いレティシアでも分かっていた。
そして今回、また勇者たちに見捨てられた。
レティシアの人生、捨てられてばかりだ。
こんな自分が嫌になるし、こんな人生しか送れないことに哀しさがこみ上げる。
「……どうしましょう……私、これからどうしたら……見捨てられて、これからどうしたら……」
ボロリと大きな涙がこぼれたのをきっかけに、涙が止まらなくなってしまった。
皿の上に水たまりができてしまうほどに流れる涙は、レティシアを悲しみの海へと沈めていく。
ずっと張りつめていたものが切れて、一気に崩壊したのが自分でも分かった。
それでもどこか恥じらいがあって、声も出さずに静かに泣く。
懸命に涙を拭くレティシアを、ゲオルグもオズワルドも目を見開いて見つめていた。

