神殿に引き取られる前も、お肉など食べたことは一、二回。しかも干し肉だ。
ほぼ初めて味わった肉の味。
今までこれを知らなかった人生がもったいないと思えるほどに美味しかった。
「美味しいか?」
「はい!」
ゲオルグに聞かれて、つい正直に頷いてしまう。
本当はいけないはずなのに、お肉の美味しさには逆らえなかった。
「もっと食べろ」
これ以上は……と思いつつも、口の中で涎が次から次へと溢れ出てくる。
もっと食べたいという欲求が止まらず、恐る恐る今度は自ら肉にフォークを突きさし自分の口に運んだ。
「…………っ!」
言葉にならないほどの美味しさというのはまさにこのことだ。
レティシアは目を輝かせて、また一口、さらに一口と肉を口の中に運ぶ。
いつの間にか夢中になっていた。

