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「レティ、ここが俺の城だ。これから好きに過ごせ」
魔王の城というものはおドロドロしくて、暗雲の下にそびえる仄暗いものだと思っていた。
中も薄暗くて、日の光も差さないような。
だが、実際に辿り着いた城は綺麗で美しく、窓から陽の光がたくさん降り注ぐような場所だった。
「代替わりをしたあと、ゲオルグ様が城の雰囲気を変えました」
城の様子に驚いてきょろきょろと見回していると、その気持ちを察したかのようにオズワルドが説明してくれる。
そうして分かったのだろうと首を傾げると、オズワルドは
「貴女、随分と魔族に対して恐ろしいイメージをお持ちのようなので」
そうウインク付きで説明をしてくれた。
人間の間で広まっていた噂と実態は違うのだろうか。
ゲオルグとオズワルドは、出会ってからずっとレティシアに対し怖くないのだと訴えかけている。
それとも、今のレティシアが子どもの姿をしているからだろうか。
ならば、随分と情が深い。

