「・・・ッ」
風が吹いた表紙に一瞬目を瞑っただけだった。
その一瞬で目の前の景色が変わった。
異能には火・風・水とそれに特化したものはあるものの、時空変換や瞬間移動など派生した異能を持つものもいる。
まぁ、それはかなり力を乗っている物にしが無いが・・・
御三家はほぼ持っていると聞く。
この男は自在に空間を操れる異能も持っているのか・・・
目の前には、さっきの大きな屋敷はなくこじんまりとした一軒家。
「こちらで柊様がお待ちです。」
そう言い扉を開ける神楽。
一歩踏み出し中へ入ろうとすると、
「従者は外でお待ち下さい。」
「それはできません」
「亜人を柊様に合わせるわけには行きませんので」
「ですが「類、ここで待ってて。すぐ戻る。」
この神楽とかいう男が当主のもとへ類を通さないのは、概ね当主がアジン嫌いなのだろう・・・
ここで揉めれば面倒事になるに違いない。
「はい」
渋々といった形で下がる類。
「何かあったらすぐに呼んでください。」
「うん、わかった」
そう返事をし中へ入る。

