「かなり大きいわね・・・」
「そうですね」
大きな屋敷を前に唖然とする。
家のかなり大きい方だが、その三倍はありそうな敷地面積だ。
奥の離れの方に小さな塔が見えた。
私が異能の無い凡人だとわかったらあそこに入れられるのだろうか・・・
そんなくだらないことを考えていると、大きな門が開く。
すると、和装の男が出てきた。
「お初にお目にかかります。
私、当主の側近を務めさせていただいております
神楽と申します。
以後、お見知りおきを。」
そう言いながら礼をする神楽と名乗った男。
「どうも」
「そう警戒しなくとも、獲って食ったりは致しません・・・
まぁ、簡単に獲れるとは思いませんが・・・」
そう言い類へ嫌悪の眼差しを向ける。
「仮に当主の妻になる者へそんな態度とは、躾がなってなように思えるが・・・」
「おや、失礼いたしました。
では、ご案内させていただきます。」
その声とともにいきなり強い風が吹いた。

