所詮化け物は化け物。
でも私は、化け物にすらなれなかった。
私は、この鳳凰家の父上の子供ではない。
母上が父上と結婚される前に生まれた所謂、母上の連れ子。
しかし、和平のために結ばれた婚約ゆえ父上は拒めなかった。
なぜなら、権力争いをしていた四家の中でも一番力をも久瀬家との婚約だったからだ。
その当時鳳凰家は権力争いに一歩出遅れていたという。
そんな中決まった久瀬との婚約は、絶好のチャンスだと思ったのだろう。
連れ子がいても拒めなかったらしい。
鳳凰へ来た当初は本邸にいた。
でもそれは長く続かなかった。

