私の生きる理由。



シーン



静まり返った家の中を玄関から見渡す。



どうしたら良いのだろうか・・・



夫になるであろう人の家とはいえ、勝手にズカズカと入るのは気が引ける。




てっきり神楽が案内してくれるものだと思っていたが、そうではないらしい。




どうしようかと戸惑っていると、一番奥の扉が開いた。



「なにを突っ立ている。さっさと入れ。」



そう言いながら出てきた人を見て一瞬息を飲む。




ものすごくきれいな顔・・・



この世のものじゃないくらい整った顔だった。



これが、久瀬柊・・・



「おい」



顔に似つかわしくない低い声で呼ばれ我に返る。



「あ、、すいません」



そう言い中へ入る。