「……暴力とは、やはり美しい……君もそう思わないか?君の両親を殺した時の、あの苦痛に満ちた表情!新郎に花嫁を殺されたあの事件も、なかなかの見物だったな」

マーティーは、楽しそうに事件のことを話した。フィオナは拳を握り締め、マーティーを睨む。

「……っ!」

気が付けばフィオナはマーティーを押し倒し、首にナイフを突き付けていた。

「……はは。油断していたな……」

マーティーは、そう言って微笑みながらフィオナを見つめる。フィオナは、ナイフを振り上げた。

「フィオナ!!」

フィオナがマーティーを殺そうとした瞬間、フィオナの腕は誰かに掴まれる。

「……エヴァン……」

フィオナが振り返ると、そこにはエヴァンがいた。エヴァンは、マーティーがサルビアの能力で拘束されたのを確認すると、フィオナを連れてマーティーから離れる。

「……エヴァン!離して!!あいつは、私の家族を……シオンさんを殺した!!」

そう言って、フィオナは泣き始めた。それを見たエヴァンは口を開く。

「こんな奴を殺して、君の手を汚させたくない。だって、フィオナが好きだから……」

エヴァンは、そう言うとフィオナにキスをした。それを見ていたレティシアは、顔を赤くして手で口元を押える。