まだ慣れていないし、少しの感覚で手近なものを変化させてしまう可能性があるから二人とも気を付けてねと念を押され、その日は帰宅することになった。
数日後、悟に誘われた能力者のコンテストを見に行く日。
いつだったか休日の講演で見せてくれたショーよりもランクアップした芸術作品を見せてもらった。
今回のコンテスト上位に入ると何か別のステージに立てる権利を得られるようだが結果は二位だった。もしかしたらあの三人も新しい道に進むのかもしれない。
楽屋に呼んでもらえた二人は三人と少しだけ会話をした。晃とあかりは相変わらず口数が少なかったが、満足したような顔にも見えた。
挨拶を交わして外に出る。
夕焼けも終わりそうな空を見て少しだけ散歩をして帰ろうと思った。
この会場は住んでいる場所からは少し遠い。そのため双子を不思議な目で見てくる人が多く感じたが、この数か月で自分たちの気持ちが変わっているのかあまり気にならなかった。
人目を避けていた頃の気にならないとはまた違う、気にならない感じがあった。



