大歓声が上がった。拍手が起こり、感動に目を潤ませる人もいる。

 翔と翼も例に漏れず大興奮していた。しばらく動けずに座り込んだままだった。

「楽しんでもらえたか?」

 悟が声をかけてきた。

 凄かった、本当にすごかった。力を使うことって、すごい事なんだな。
 翔が珍しく声を荒げて自分の感情をさらけ出した。

「そんなに興奮しなくても、またやる」
 晃が呆れ顔で言ってきた所で、ボディーガードの一人が少し落ち着いたほうがいいと声をかけてきた。

 それをきっかけに帰宅することにしたのだが、帰りの車中で気だるさを感じた二人はそのまま病院へと運ばれることになる。

 少し興奮して微熱が出ただけだと思っていた二人だったが、そのまま熱が上がりその日は入院することになった。

 翌日には落ち着きを取り戻していた二人だが検査を実施することに。医師が異変を感じたのは二人の特殊能力を示す数値だった。

 一般的な能力者はその力を取り込んだ場所だけから能力値を計測できる。指や手の平が一般的だが、双子は体全体からその数値を感知することが出来ていた。

 体のどの部分を図ってもほぼ同じ数値が表示されていたのだが、今回はその数値が少しだけ下がっていた。
 そのかわり翔の右手、そして翼の左手の指の辺りの数値が上がっていたのだ。