それからしばらく考え続けた。特殊ゆえに必要不可欠であった検査や処置。いざという時のために拒否反応を示す薬は無いかの治験もした。

 未来の双子のために取る記録は一生続くだろう。

 検査や治験を永続的にしていく代わりに居住地、生活資金、命の安全を保証され自由に生活する権利もある。


 その中で愛を知る機会はどのくらいあっただろうか。


 恋を知る機会は?


 自然と人間を避けるようになり家の中に閉じこもる生活を続けているこの環境で愛を知ることなんて出来るはずがなかった。

 検査のある日は一日拘束されることが多い。しかし本も買えるしゲームもできるし好きなものも食べられる自由がある。

 検査、自由、検査、自由、それが当たり前の双子のルーティン。


 それが自由か?