自宅に帰った二人はコミュニケーション方法も分からないまま彼女――花村由美にメッセージを送った。

 ちょっと分らないですね、どうなんでしょうね、などあいまいな返事しか望めなかった。

 自分たちも何を聞きたいのか分からないまま突発的な質問をするとうまくやり取りが成立しないことも分かった。

 何を聞きたいのかを明確にしないといけない。頼れる人は一人だけだった。


「おう、どうした?」

 亮一の声を聞いてなぜだかほっとした。

 自室のベッドに寝ころびながら二人は説明を始める。二人でいっぺんに喋るなよと言いながら亮一はしっかりと話を聞いてくれている。

「もしかして恋でもしたか?」

 その言葉にそれは無いとかぶりを振ったが、『じゃぁ過去の恋愛経験とは違うんだな』との言葉が二人を詰まらせる。

 恋愛感情とはどのようなものだろうか?人との関わりが極端に少ない二人は恋愛をしたことがないし、比べる感情を持ち合わせていなかった。人を好きになることなどしたことがないのだ。

「俺のことは好きか?友達として大切に思ってくれているのかな?」