幼馴染とまではいかないが、小学生の頃から由美といつも一緒にいる少女がいた。小学校に入った頃からずっと一緒にいる友人だ。

 二人が小学五年生の頃、何月だったろうか。友人は大きな事故を目の当たりにしたのだ。

 悲惨な事故だった。ニュースでも現場の映像を極力映さないようにしていたほど衝撃的な現場だった。

 友人は少し離れたところに居て被害にあわなかったが、気が狂ったように泣き叫んで救急車で搬送された。由美はその現場に居合わせることは無かった。

 たまたまその日は授業で使うノートを買うため別々に下校していたのだ。

 あの時一緒に帰っていれば何か違ったのではないかと何度も思ったが、おそらく変わらなかっただろう。

 由美は知っていた。友人が特殊な能力を持っていることを。

 その能力は使ってはいけないと本人が言っていたし、どんな能力なのかも知っていた。

 ニュースを見ても当初はただ心配するだけだったが、中学高校と成長するごとに友人が力を使ってしまったのかもしれないと思うようになった。

 その事故からしばらくして一緒に登下校することは無くなった。毎日迎えの車が友人を連れて帰ることになったのだ。

 小学校一年生の頃、二年生の頃、、友人はこんなことが出来るようになった、何秒止められるようになったと楽しそうに話していたがそのうちあまりその話題を持ち出さなくなった。

 彼女の力はとても強いものだったのだ。そしてまだこれからもその力は強くなっていくものだった。