【好き】を言いたい1






「え?
俺は4組の進 道治だけど?」

「‥礼華とどういう関係?」

「‥はぁー、なるほどね。
余計な疑いかけられそうだから、逃げるわ。」



「ありがと、礼華。」と言い残し、
帰っていった道治。



「和志も、戻ろ?」


なんだかよく分からない終わり方。


そろそろご飯を食べないと、
お弁当を残してしまう。


「‥やだ。」


そう言って、ギューッと抱きついてきた。
もちろん、私に負担をかけさせないように。



「えぇ‥?」

「なーなー、好きって言ってー?」

「はい!?」


どうしてこの流れでそうなるのよ!


「ちょ、む、無理‥。」


「んー。」

「言ってくれないかぁ‥。」と、
寂しげな顔をする和志。


「か、可愛い‥。」

思わず、そう言ってしまった。


すると。



「‥は?
可愛いのは、礼華でしょ?」


和志は怪訝そうな顔をすると、
キュッと形の良い眉をひそめた。