Tear Flowers〜永遠の約束〜

彼女がいなかったら、今の僕はいない。そう切なげに言ってサルビアは青空を見上げる。雲一つない空はどこまでも青い世界を見せてくれて、美しく何も考えられなくしてしまう。

「人と違うってこと、みんな怖がるんだ。僕もそうだったし、さっきのあの子も怖がってる。でも、人と違うって素晴らしいことなんだ。だってそれが個性ってものだから。プラスに考えた方が世界は輝いて見えるんですよ!」

サルビアが笑顔で言い、フィオナは「はい」と無表情で返す。フィオナはあまり人の目は気にしない。プラスに考えることもせず、ただ目の前にある情報をコンピューターのように処理していくだけだ。しかし、これも個性の一つだと言われると気は楽になるだろう。

「この言葉を、僕の大切な人であるルクリア先生が教えてくれました……」

サルビアはそう言い、過去を少しずつ話した。



僕が育った孤児院は、山に囲まれた自然豊かな場所にある。温かい雰囲気のある木造の孤児院には、赤ちゃんから十八歳までの子どもがいた。

十八歳になるとみんな孤児院を出なくちゃいけない。でも、縁があれば里子として十八歳になるまでに孤児院を出ることができるんだ。