Tear Flowers〜永遠の約束〜

過去を見てしまったことは言わず、フィオナはお礼を言う。サルビアは「いえ、ああいう子にはガツンと言いたくなっちゃうんですよ」とどこか切なさを含んだ笑みを浮かべる。

その後、女の子が泣き止んでから名前と保護者の連絡先を聞き、サルビアが事情を説明して保護者に女の子は無事引き渡された。そして今、フィオナはサンドイッチをベンチで食べている。隣にはサルビアが座っていた。

「……先ほど、サルビアさんの過去が一部入り込んできました。ブラウンの髪にアンバーの瞳をした女性が見えたんです。あの方はサルビアさんのお母様ですか？」

聞かない方がいいのか、と思ったものの気になってしまいフィオナはサルビアに訊ねる。すると、「見えちゃったんですね〜……」とサルビアは苦笑しながらも「違うよ」と否定する。

「僕に親はいない。僕はアルビノで見た目がみんなと違うから、幼い頃に親に捨てられてずっと孤児院で育ってきました。彼女はその孤児院の施設長で、名前はルクリア・アッカーマンさん」