「構いませんが、何があったんですか?」

フィオナが訊ねるも、「話は捜査チームの部屋で」と言いレティシアは電話を切ってしまう。

「フリージアさんも、話は捜査チームの部屋でって言っていたよ」

エヴァンが困惑した表情で耳からスマホを離す。フィオナは「行きましょう」とエヴァンの手を掴んで捜査チームの部屋へと走った。こんなに切羽詰まった電話をもらうのは初めてだ。何か、大きな出来事が起きているに違いない。

フィオナとエヴァンが特殊捜査チームの部屋に入ると、いつもはつけられていないテレビがつけられ、ニュースがずっと流れていた。そして、そのニュースを光のない目でサルビアが床に座り込みながら見ており、サルビアの背中をフリージアと捜査チームの一員であるレイモンド・アルストロメリアがさすっている。

「一体何が……」

サルビアの暗い表情にエヴァンが驚き、呟く。フィオナは何も考えず、ただニュースを見ていた。スーツを着たニュースキャスターがどこか重苦しい表情で起きた事件の内容を話していく。