Tear Flowers〜永遠の約束〜

見えてしまったその検査結果に、僕の体が震えた。そこにあった診断結果を信じたくなくて、「荷物を運んでくれるお礼」と言って紅茶を用意してくれているルクリア先生の元へと走る。

「先生！！」

僕が勢いよく給湯室に入ると、ルクリア先生は「こら、走っちゃダメでしょ？」と苦笑する。その顔がもう見られなくなるかもしれないことに、僕の瞳から涙がこぼれ落ちていった。一度あふれた涙は、もう止まらない。

「サルビア、どうしたの？」

ルクリア先生がハンカチを差し出し、涙を拭ってくれる。こんな風に泣くなんて、小さな子どもの時以来だ。僕はしゃくり上げながら、ルクリア先生に訊ねた。

「先生……！末期の……癌って本当……？」

診断書には、癌が体のあちこちに転移して余命数ヶ月と書かれていた。信じたくない！こんなにも素敵な先生に残された時間があと僅かだなんて……。

ルクリア先生は瞳を潤ませ、一瞬俯く。でも次に顔を上げた時、ルクリア先生は僕を助けてくれた時のような優しい笑顔だった。