Tear Flowers〜永遠の約束〜

「先生、それ重いですし僕が運びますよ」

「あら、ありがとう」

季節が過ぎて、僕の背がぐんと伸びて、もうすぐ孤児院を出なくちゃいけないという時期になっても、僕はルクリア先生のことが大好きで大切な人という思いは変わっていなかった。もうすぐ孤児院を出なくちゃいけないから、ルクリア先生に会えないのが寂しくて、暇があればルクリア先生のところへ行っていた。

「それ、私の部屋に置いてちょうだい」

「はい！」

笑顔で返事をする僕に、ルクリア先生がどこか切なげに微笑んでそっと僕の頬に触れる。

「大きくなったわね。ここを出たら警察学校に行くんでしょ？」

「はい。警察官になって、ルクリア先生を守れるようになりたいんです。先生が僕を守ってくれたみたいに……」

「ダメでしょ。警察官はみんなを守らなきゃいけないんだから」

そういえば、小さい頃はルクリア先生のことをよく「お母さん」と呼んでしまっていたな……。そして、「大きくなったらルクリア先生と結婚する！」なんて言ってルクリア先生を困らせていた。

懐かしい記憶が蘇る中、ルクリア先生の部屋へと入る。花が飾られたルクリア先生らしい部屋。もうすぐこの景色も見れなくなる。寂しい……。

「これは……」

グルリと部屋を見回していると、テーブルの上に置かれた一枚の紙が目に止まる。病院の診断書だ。数週間前、ルクリア先生や孤児院の職員さんたちは健康診断があった。その結果だろう。