青海原


やっと辿り着いた、ゴール。

防風林として大活躍中のフクギは俺より身長が高い、当たり前か。

蚊の音がする。
波の音もする。

フクギ並木を抜けていくとそこは海だ。
俺は何をしにここにきたんだろう。
そんなことどうでもいいのだ。
普段疲れて家と仕事場の往復だけで、海はこんなに近いのに、滅多にくることがない。
沖縄に住んでるだけで海が綺麗で近くていいなぁという人はいるけど、そんなことない。
沖縄に来て毎日海に行ってるのは金持ちな移住者に違いない。
俺みたいな社畜は近くてもたまにしか来れないんだ。

海には思い出がある。
昔付き合ってた社内の女性とよく来ていた。

彼女は白いワンピースを着て、帽子を被って、よく散歩してた。
たまに帽子が飛んだりして2人で追いかけてやっとの思いで拾って。
思い出は山ほどあるんだ。あの時は幸せだった。

2人で楽しく遊んだ海だ。

そんなある日彼女は姿を消した.