男の子は一瞬ポカンとして美里に向かって言った。
「あのーえっと…すみません返します!」
「いいです」
「いえいえそこのコンビニでお金くずしてかえします」
「気にしないで下さいっさよなら」美里はそそくさ家路に向かった。男の子はコンビニに行った様子だったがそのまま帰ってきてしまった。
家に着き早速買ったモノを開けて試す。いつものことだ。スリッパを履いてトコトコ歩いてみる。普通スリッパはパタパタとゆう感じだがこのスリッパはトコトコと音がする。
「なんだかカワユス」美里きげん。幸せなやつだ。
辺りはもう日が落ちて暗かった。なんだかお腹が空いてきた。美里はスリッパを履きながら食事を作ろうとして冷蔵庫を開けてみたけれど食材がない。
3日ほど前に三個百円で買った豆腐があったので湯豆腐にした。
「はへーはふー、やっぱ冬の気配を感じるねぇ」今年三十路の美里は親父くさく言う。
「最近独り言増えたしヤバいね…」だって寂しいんだもの。

その夜美里はDVDを借りにレンタルショップへ行った。その帰りに牛乳がなかったことを思い出しコンビニへ寄ることにした。
「牛乳、プリン、アイス、雑誌…」余計なモノまで…
フラフラしてレジに行った。
「ふー…あっ!あれ?」