この人といるとなんだかホッとする。力が抜ける。
美里は既にテーブルに置いてあったビールに気づかずそそくさ智輝と乾杯した。
「カンパーニュ!」智輝が変なことを言うので美里は吹き出してしまった。
「ちょっとカンパーニュって何?」
「わかんな〜い(笑)」
テーブルには次々とお肉が運ばれてくる。
美里は圧倒された。
「トモ、いつもこんな注文するの?」
「え〜まだ足りないくらいだよ〜」ホクホク顔で智輝は箸を折った。
「わたし焼くね、トモ食べる係」
「よっしゃぁ美里ちゃん焦がさないでね」
「焦がすかも〜」
美里はたくさんあるお肉を次々と焼きはじめた。
「トモ、ちょっとソレまだ焼けてないよ!」
「ダイジョブダイジョブ俺レア派だから」
美里はジュージュー音を立てながら色が変わっていく肉を見ながら思っていた。(まるで自分の様)ちょっと油断すると真っ黒になってしまう肉を自分と重ねた。うまく焼かないと台無しだ。

智輝に出会ってからだんだん何かか変わってゆく。
智輝のペースにつられて楽しい会話が弾み美里も自分で信じられないくらい食べられていた。(だってお皿にたくさんのせるから)

「わたし、こんな食べたの久し振りだょ」
「よかったぁ!」無邪気に笑う智輝。笑うと目がなくなってしまう。
美里はすごくシアワセな気持ちになった。
美里はほろ酔いで顔を真っ赤にさせていた。
「トモ、食べ過ぎ!追加しすぎだし」
「俺まだ育ち盛りだし」
「そうなの?」

(トモは一体何歳なんだろう?)