「ほかには?ほかにはどうにかしたいことはあるの?」
「すっ、好きって言いたい…」
この雰囲気から行くと告白しても、あまり挨拶をしない女子のことをOKする確率は少なそうだ。
「その男の子から何か話しかけてくることはある?」
「男の子からは…おはようとか、くらいかなぁ」
「じゃぁ、男の子がお昼休みにやってることとかある?」
う~んと…と考えながら桜は答える。
「カードゲームとか、学校内全部で鬼ごっこしたりしてるよ」
なるほどね、と希子は思う。桜とその男の子の接点が少なすぎるのだ。
「まずは、接点を作ることだね」
「せってん?」
「今ある接点は、たまにおはようって挨拶すること、これだけだね。そこで、カードゲームって楽しいの?とか、鬼ごっこ楽しいの?って聞いてみるのよ」
絶望的な顔でそんなの無理だと呟く桜。ゲームとかできないもん。
「ゲームをしなくてもいいのよ、面白いの?から始まって、今日もやってるの?それで、良く分んないけど一緒に見ててもいい?って、進んでいくんだよ」
「さくらにできるかなぁ」
「愛の力があればできるよ」
そう言ってにっこりと笑う希子。



