今まで読んできた恋愛小説の真似をして一緒に帰ろうと誘ってみたり、寒くなってきた時には自分の冷えた手を触らせようとしたりと色々試みてみた。
そんなことを試しているうちに、自分はこんな恋がしてみたいとか、こんな返事が欲しい等を考えるようになり、キャンパスノートに自分で思いついた物語を書き綴ったこともあった。
友人に見せてみたが
「好きな人が出来て、告白したら、相手も自分のことが好きだったのが分かってハッピーエンド?いい話だとは思うけど何か問題が起こったほうが話としては楽しいんじゃないかな」
そう言われて自分にはまだ難しいなと落ち込んだりもした。
そんな日常を送り、好きなものを見つけようとしてみたり、自分らしさが何なのかが分からないまま中学校を満喫して、高校を受験した。
誰かの真似をし続けて、自分には自分らしさがないことにうっすらと気付いてはいたがそれが間違いではないと誰かに言ってもらいたい。
そんな感情があることにも気付かず流される日々を送る。



