訳あり無表情少女と一途な旦那 〜異世界編〜

完全に魂が入った瞬間
ドクンッ!
心臓が、…体が、
ドクンッ!ドクンッ!ドクンッ!

「…はっ…、はっ…」

息が、上手く…出来ない…
視界が、ボヤける…
ビクッ!ビクッ!と体が痙攣する
思わず前に倒れそうになると、フワ…と柔らかい感触に当たる

「…ラル…フ…」

後ろからもフワ…と温かい感覚に包まれる

「レ…ノ…」
〔我が主〕
〔私達は、いつもお側におります〕
「…」

目を瞑り、2つの魂を認識する
2人は全ての感覚を共有したいって言ってくれた
…でも、やっぱり痛みは駄目だ
全く共有しないのは怒られそうだから、知る事だけを…
これなら私が怪我をしたと認識するだけで痛みは無い
お願いを聞いたんだから、これ位は許してね
そして、2人の魂にはプロテクトを
そうしてる内に、痙攣は治まり呼吸も安定していく

「…もう、大丈夫」

ラルフが不安な表情で見上げ、レノを後ろから覗き込む
私は微笑み

「無事に終わったよ」

パアッ!と2人が笑顔になった

「2人共、これからもよろしくね」
〔〔はい!〕〕